SAPとERPの関係は?SAP社のERPと他社のERPも紹介!

SAPとERPの関係は?SAP社のERPと他社のERPも紹介!

ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業が経営を効率的に管理し、業務の統合を図るためのシステムです。ERPシステムを導入することで、業務の効率化やコスト削減が実現され、リアルタイムでのデータ把握も可能になります。なかでも、SAP社が提供するERPシステムは、業界をリードする存在として多くの企業に採用されています。本記事では、ERPの概要とともに、SAP社のERPシステムの特徴や他社のERPシステムについて詳しく解説します。



ERPとは

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ERPとは、「Enterprise Resource Planning」の略で、企業が保有するヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源を効率的に管理し、最適な経営判断を支援するためのシステムです。
ERPの導入により、業務プロセスの統合と効率化が図られ、異なる部門間のデータ共有が容易になります。これにより、業務の無駄が削減され、リアルタイムでのデータ分析が可能となるため、経営層は迅速かつ的確な意思決定を行うことができます。
ERPは製造業、流通業、サービス業など幅広い業種で導入されています。

SAPとERPの関係とは?

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SAPとは、ERPシステムを提供する世界的なソフトウェア企業のSAP社を指し、ERP市場において長年にわたりリーダーシップを発揮しています。
SAP社のERPシステムは、企業規模や業界を問わず、様々な業務プロセスを管理する機能を持っています。カスタマイズ性に優れていることから、事業環境の拡大によるシステムの拡張などがしやすいでしょう。

SAP社のERPシステムが人気の理由

SAP社のERPシステムが高い人気を誇る理由の一つは、40年を超えるERPの歴史があり、あらゆる業界・業種や事業規模に対応した機能が豊富に備わっている点です。SAP社のERPシステムは、会計管理や販売管理、在庫管理など、あらゆる業務プロセスを統合することができるため、企業全体の運営効率を大幅に向上させます。
また、カスタマイズ性が高く、企業の成長や業務の変化に応じてシステムを拡張することが可能です。
これにより、事業拡大時にも柔軟に対応できる点が評価され、多くの企業に採用されています。

SAP社のERPシステムの主な機能

SAP社のERPシステムは、多様な業務プロセスをカバーするための豊富な機能(モジュール)があります。
主な機能としては以下のとおりです。

【SAP社のERPシステムの主な機能】

  • 財務会計
  • 固定資産管理
  • 管理会計
  • 販売管理
  • 在庫購買管理
  • 生産管理
  • プラント保全
  • 品質管理
  • 人事管理

上記のとおり、SAP社のERPシステムを導入することで企業の経営をサポートするための機能を広くカバーすることが可能です。また、リアルタイムでのデータ分析や予測機能も充実しており、企業の経営戦略や意思決定に大きく寄与するでしょう。

SAP社の主なERPシステム

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SAP社は、企業の規模や業種に応じて様々なERPシステムを提供しています。
SAP社の主なERPシステムは以下のとおりです。

【SAP社の主なERPシステム】

  • SAP S/4HANA
  • SAP Business ByDesign
  • SAP Business One

以下でそれぞれについて順に解説していきます。

SAP S/4HANA

SAP S/4HANAは、2015年に発表されたSAP ECCの後継であり、次世代のERPシステムです。SAP S/4HANAの核となるのは、SAP HANAというインメモリーとカラムストアを活かした高速データベースです。これにより、大量のデータをリアルタイムで高速処理することが可能で、企業のデータ処理能力が飛躍的に向上します。
また、SAP S/4HANAではユーザーインターフェースも刷新されています。直感的で使いやすいデザインとなっているため、従業員はよりスピーディーかつ効率的に操作できます。

SAP Business ByDesign

SAP Business ByDesignは、中堅・中小企業向けのSaaS型ERPソリューションです。SAP Business ByDesignは、企業の会計管理や人事管理、生産管理など、あらゆる業務を統合的に管理する機能を提供しています。
オンプレミス型のERPパッケージと比較し、導入するまでの期間の短さや初期導入コストの低さなどから、比較的導入ハードルが抑えられています。

SAP Business One

SAP Business Oneは、中小企業向けに設計されたERPシステムであり、企業の基本的な業務プロセスを一元管理することができます。
SAP Business Oneは、標準機能として、多くの国の言語や税制、商習慣などにも対応しており、カスタマイズを必要とせず多様なニーズに対応可能です。

SAP社のERP以外の主なソリューション

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SAP社は、ERPシステム以外にも多岐にITソリューションを提供しています。
SAP社のERP以外の主なソリューションは以下のとおりです。

【SAP社のERP以外の主なソリューション】

  • SAP Customer Experience
  • SAP Business Technology Platform

以下でそれぞれについて順に解説していきます。

SAP Customer Experience

SAP Customer Experienceは顧客関係管理(CRM)を中心としたソリューションであり、企業が顧客データを効果的に活用して、顧客体験を向上させることができるでしょう。SAP Customer Data Cloudをベースに、SAP Marketing CloudやSAP Commerce Cloudなどをはじめとした5つのクラウドサービスから構成されています。

SAP Business Technology Platform

SAP Business Technology Platform(BTP)は、PaaS型のシステム基盤であり、アプリケーション開発や自動化、データ分析などといった複数の機能を一つのプラットフォーム上で提供しています。
企業はさまざまな業務プロセスを効率化し、複雑なシステム環境でも一貫性を保ちながらデータの管理やアプリケーションの開発などを行うことができるでしょう。

SAP社以外のERPシステム

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ERPシステムの市場には、SAP社以外にも多くの企業が存在しており、それぞれが独自のソリューションを提供しています。
以下では、SAP社以外でERPシステムを提供している企業をご紹介します。

日本オラクル株式会社

日本オラクル株式会社が提供するクラウド型ERPシステムの一つとして、Oracle Fusion Cloud ERP(Oracle Cloud ERP)があります。
Oracle Cloud ERPは、財務会計、調達管理、プロジェクトポートフォリオ管理、リスク管理、統合業績管理(EPM)といった管理系業務から、製造や物流に至るまで、企業活動に関わる全ての情報を一元管理することが可能です。

GRANDIT株式会社

GRANDIT株式会社が提供するERPシステムであるGRANDITは、日本発の完全WebベースERPであり、中小企業から大企業まで幅広い業務に対応しています。
GRANDITは、販売や経理、人事など11のモジュールから構成され、モジュール単位での導入も可能であることから、企業のニーズに合わせた導入ができます。

ERPシステムの導入事例

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ERPシステムは実際に多くの企業に採用されており、業務効率化やコスト削減など多方面で寄与しています。
以下では、ERPシステムを導入した企業の事例をご紹介します。

株式会社島津製作所

株式会社島津製作所は、受注管理や生産管理、財務会計などの業務の改革に対応すべく、基幹システムの刷新を検討していました。
同社の製品はさまざまで、量産品だけでなく年間数台の少量生産品や、オーダーメイドの場合などもあることから、カスタマイズ性に優れたOracle E-Business Suiteを導入しました。
結果として、製造リードタイムの短縮や受注・出荷業務の自動化による省力化など様々な点で業務改革が実現しました。

参照元:業務とITの一体改革に向けて 基幹システムを全面刷新

まとめ

ERPシステムは、企業の業務効率化や経営の意思決定の迅速化などを実現するために不可欠なソリューションとなっています。なかでも、SAP社のERPシステムは、その柔軟性と拡張性、豊富な機能により、多くの企業に採用されています。また、ERPシステムを提供している企業は複数ありますが、対応可能な機能やカスタマイズの範囲などが異なる場合があります。実際に導入するとなった際には、ERPシステムの導入支援を行なっている企業にお問合せし、自社に合ったERPシステムについて詳細を把握した上で検討すると良いでしょう。

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