AgileWorks導入事例「H.U.グループホールディングス」~要件定義から開発までの手厚いサポートで、申請者も承認者も満足する承認ワークフローシステムを構築~

AgileWorks導入事例「H.U.グループホールディングス」~要件定義から開発までの手厚いサポートで、申請者も承認者も満足する承認ワークフローシステムを構築~

「ヘルスケアにおける新しい価値の創造を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションに基づいて、検査・関連サービス事業、臨床検査薬事業、ヘルスケア関連サービス事業、研究開発を事業展開するH.U.グループ(以下、HUGP)。薬事法に基づく薬事申請や日常業務における社内申請など、月間5000件以上の各種申請が行われているHUGPでは、申請・承認業務の効率化を目的に、ワークフロー(電子決裁)システムとして、日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)からAgileWorksを導入。AgileWorksの導入やNSSOLの支援などについて、H.U.グループホールディングス株式会社の合田氏、隈元氏、吉田氏に話を聞いた。

話し手

合田 博喜(ごうだ ひろき)氏
合田 博喜(ごうだ ひろき)氏
H.U.グループホールディングス株式会社
ITデジタル統括本部 IT本部
シェアードシステム部 シェアードシステム課
課長
隈元 和枝(くまもと かずえ)氏
隈元 和枝(くまもと かずえ)氏
H.U.グループホールディングス株式会社
ITデジタル統括本部 IT本部
シェアードシステム部 シェアードシステム課
吉田 幸男(よしだ ゆきお)氏
吉田 幸男(よしだ ゆきお)氏
H.U.グループホールディングス株式会社
ITデジタル統括本部 IT本部
シェアードシステム部 シェアードシステム課

直感的な操作性で短期開発が可能なAgileWorksを採用

AgileWorksを導入した経緯や背景についてお聞かせください。導入前にどのような課題があり、その課題をどのように解決しようとお考えになったのでしょうか。
隈元

以前の承認ワークフローシステムは、1つの汎用的な申請画面に基本的な情報を入力し、Excelで作成した申請書を添付して、メールで配信する仕組みでした。申請書ごとに別の申請画面を作りたかったのですが、旧ワークフローシステムは申請画面を簡単に作成することができず、開発に工数とコストがかかることが課題でした。また、サポートがあまりよくなかったこともあり、ほかの製品を探していましたが、3つの候補を比較検討した結果、1番使いやすいと評価したAgileWorksを採用することに決めました。

ワークフローシステム選定の経緯やポイント、採用の決め手についてお聞かせください。
隈元

最も重視したのは、人事MDM(マスターデータ管理)システムと簡単に連携できることです。AgileWorksは、組織やグループなどの複雑な階層構造に対応でき、承認者を設定しやすいことなども評価しました。承認者の自動設定は特に重要で、以前の承認ワークフローシステムでは、上司を手作業で設定しなければならなかったので、承認者が抜けていたり、違う人を設定したりといったミスが起きるという問題もありました。

申請画面をGUIで簡単に作成できることも、AgileWorksを選定した理由の1つです。回付ルールのプロセスも分かりやすく、直感的に操作できるので、社内の運用チームでも管理できそうだと感じました。NSSOLがデータセンターの運用をしてくれていることも採用を決めた理由でした。HUGPのデータセンターにサーバーを設置できるので、インフラの管理もしやすいと思いました。

合田

以前は、グループ会社も含めて、約400種類の申請書がありました。1カ月で100件以上の申請書を提出している担当者からは「承認ワークフローシステムが作業負荷を高める諸悪の根源だ」と言われていたのです。そこで承認ワークフローシステムの刷新にあたり、承認プロセスの見直しから始め、重複している申請書を統廃合して新しいシステムを構築することにしました。

そのためには、特別な技術や知識を必要とせず、直感的な操作性により、短期間で承認ワークフローシステムを構築できることが必要でした。具体的には、社内のメンバーはもちろん、業務委託や派遣のメンバーでも利用できる容易な操作性であること、外部の開発会社に頼ることなく、少ない工数かつ短期間でシステムを構築できることが重要でした。

実は、別のワークフローシステムを導入することがほぼ決まっていたのですが、AgileWorksの存在を知って、急いで見積もりと提案書を再作成し、AgileWorksの採用に決まったという経緯があります。提案時の迅速な情報提供や、開発時のリソースのアサインなど、NSSOLの強力なサポートがあったこともAgileWorksの選定を後押ししています。

約60種類の申請書の承認ワークフローを半年で構築

AgileWorks選定後、AgileWorksの導入から運用開始までのタイムラインについて教えてください。
隈元

2019年2月にデータセンターにサーバーを設置して、3月に承認ワークフローシステム構築を開始しました。システム構築では開発の効率化を高める為に申請書レイアウトの共通化、モジュールの部品化、ロジックの統一化を行い、ベース作りで2カ月ほどかかりました。同時に申請書の改善として先ずは本社管理業務系の無秩序に増えた申請書の統廃合を行い、その上で優先の高い申請書のシステム開発を行い、7月から順次システム運用に切り替えました。年末には優先の高い約30本の申請書の稼働ができました。当初は紙の申請書があるのでスムーズに進むと想定していましたが、システム化するにあたり複雑でステップの多い承認フローを最大3段階のシンプルな承認フローに改善する作業と申請書の統合によるレイアウトの作成で申請書主管部署との調整に少し時間がかかりました。レイアウトの確認作業では机上確認ではなく、AgileWorks画面を使用してその場で修正してイメージをお互い確認しながら進められた事は確認が効率的に進められてとても良かったです。

システム面で工夫したことや苦労したことはありましたか。
合田

新しいシステムは、旧システム以上のメリットがなければ使ってもらえません。そこで、まずはトレーニングが不要なシステムというコンセプトでシステムを開発しました。稼働前に手順書は作りましたが、手順書を読まなくても直感的に操作できる仕組みを実現しています。

また旧システムでは、申請を行う際に上司を自分で設定することが必要なため、承認者が担保されていないという課題がありました。AgileWorksでは、人事データベースと連携することで、上司(承認者)の自動設定を実現しています。これにより承認フローを意識することなく、申請業務ができるようになりました。

さらに申請書ごとに申請画面を作ったことで、Excelによる申請時にはなかったマスターチェックや関連チェックが可能になりました。これまでは、何を申請したのか確認するにはExcelファイルをダウンロードして開いてみることが必要でした。AgileWorksであれば、申請画面の項目を見れば何の申請か一目で分かるし、一覧表の出力や条件検索も可能です。

電子決裁システムの刷新について、現場からの反応はどのようなものでしたか。
隈元

現在(2021年10月)、AgileWorksで電子化した申請書は本社管理系申請書、グループ会社業務系申請書を合わせて約70種類を運用していますが、直感的に操作出来る事と、各種項目チェックや関連チェック、マスター連携を行う事で、問い合わせは少ないですね。弊社はグループ会社間の出向や兼務で組織が複雑になり、承認フローの上司自動設定では異動時期になると問合せが少し多くなる程度でした。稼働当初はAgileWorksの標準の申請ボタンが画面上部にありやや小さいため分かりにくかったせいか、「申請ボタンが見当たらない」という問い合わせがありました。

吉田

既存の申請書のフォームを、そのまま承認ワークフローに移行したことも問い合わせが少なかった理由の1つだと思います。この申請書は、何を入力するかはあらかじめ分かっているので、マニュアルを見なくても直感的に操作できます。それで申請する側も違和感なく使えたのではないでしょうか。

あって当たり前のシステムを導入できたことが最大の効果

AgileWorksの導入によってどのような効果がありましたか。また、導入後の評価についてはいかがでしょうか。
合田

これまでなかった、あって当たり前の機能を備えたワークフローシステムを導入できたことが最大の効果です。申請者からも、承認者からも受け入れてもらえたという実感があります。申請書オーナーも、これまでExcelとマクロで実現していた入力項目のチェックなどが画面上で自由に設計できるため、どんどん思いが膨らんでいるようで、こうこうこういう申請書ができると、口コミで広がっています。ただし、申請書オーナーごとにデザインが違うと困るので、統一感のあるデザインにし、システム開発も効率化しています。

AgileWorksは、ワークフローの開発工数を削減できること、開発者のスキルレベルがそれほど高くなくても短期間に開発できることが効果の1つです。この点、実際の運用の中で1カ月もあれば普通に開発できるようになることが体感できました。外部の開発会社に委託しなくても、社内で開発できるので非常に満足しています。

こうした工夫は、NSSOLの担当者の提案やサポートもあり実現することができました。システム部門としては、AgileWorksの標準機能内であれば、今後もできる限りユーザーの要望を聞きたいと思っています。

隈元

以前は、本社だけで約120種類の申請書があったのですが、統廃合して現在は65種類が稼働しています。運用開始後に、AgileWorksの良さが分かった申請書オーナーから細かい変更や追加の要望が来るのですが、社内の運用メンバーですぐに対応できるので便利です。運用メンバーには、業務委託の人もいるのですが、人が入れ替わってもすぐに対応できるようになります。

合田

承認者のメリットとしては、AgileWorksは承認が必要になると承認者のスマートフォンにメールが自動的に送信され、メールに書いてあるURLにアクセスすることで承認作業ができるのが便利で、リードタイムも短縮されました。以前のワークフローシステムでは、メールが自動送信されないので、承認者が能動的に申請状況を確認しなければ承認が必要な申請書があるかどうか判断できませんでした。

NSSOLを選んでいただいて、いかがでしたか。
隈元

NSSOLの担当者には、いろいろなことを相談させてもらいました。事前に「ここは後から変更できない」など注意点も聞いていたので、後戻りなくプロジェクトを進めることができました。開発も一生懸命取り組んでもらえたので、スケジュール通りに構築できました。

合田

NSSOLの担当者には、こちらの要望に非常に献身的に対応してもらえて本当に助かりました。こうしたプロジェクトではアサインされる担当者に依存する部分が大きいと思うのですが、NSSOLの担当者は要件定義から開発に至るまで、非常に優秀な方が多く、親身になって対応してもらえました。

今後の展望やこれから試したいこと、さらに機能拡張などの計画があればお聞かせください。また今後、AgileWorksやNSSOLに期待されることは何でしょうか。
隈元

現在、Javaの開発基盤を導入して、JavaScriptで開発した承認機能をJavaに置き換える作業を行っています。この開発でも、NSSOLの担当者にサポートしてもらっています。これにより、スマホアプリで承認業務をできるようにしたいと思っています。

また、AgileWorksによる社内承認が終わった後、そのデータを電子契約システムに連携することも計画しています。さらに、RPA(Robotic Process Automation)を使えるようにすることも検討しています。

合田

一般的なクラウド対応の申請システムでは、申請システムをエンジンとして動かす仕組みがあります。新しくシステムを構築するときに、承認フローを構築するのではなく、申請エンジンを使ってAPI連携をすることで、承認フローを実現できます。こうした機能を搭載してもらえることを期待しています。また現在当社ではAgileWorksをオンプレミスで稼働しているので、クラウドに移行したいと思っています。そのためのサポートも、NSSOLには期待しています。

本日は、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
H.U.グループホールディングス株式会社
H.U.グループホールディングス株式会社
本社:
〒163-0408 東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング
設立:
1950年12月18日
資本金:
91億8,400万円(2021年3月末現在)
従業員数:
5,897名(2021年3月末現在)
※AgileWorksは株式会社エイトレッドの登録商標または商標です。
※所属等、記事掲載の内容は制作当時(2021年10月)のものです。