大規模組織向け ペーパーレス推進のためのワークフロー製品の選び方ガイド【提案編-後編】
ワークフロー製品にもさまざまなタイプがあり、要件にあったものを選択しなければ期待どおりの効果を得ることはできません。「1つのワークフロー製品に稟議も統合してペーパーレスを推進したい」とするN社様の課題解決を大前提として、最適と思われるワークフロー製品のタイプを絞り込んでいきます。
登場人物
まずは「標準機能型」と「カスタマイズ型」を見極める
一言でワークフロー製品といっても多くのタイプの製品がある。その類型をしっかり整理した上で、N社様のニーズを把握することが重要だよ。まずは「標準機能型」と「カスタマイズ型」という軸から、N社様のニーズがどちらにマッチしているのかを見極めることが前提となるね。
たとえば稟議を含めてどこまで対応業務を広げるのか。製品と業務が合わない場合、業務を合わせられるのかどうか。合わない場合はカスタマイズになるけど、そうするとまた同じ課題を繰り返すリスクがあるので気を付けないといけない。
ただし、安価な標準機能型のワークフロー製品のなかには、提供している機能が少ないため業務に対応できなかったり、適用できる業務範囲が狭かったりするものもある。
その意味ではN社様には、最初から豊富な機能やサービスを備えた標準機能型のワークフロー製品をベースとして、ある程度は既存の業務のやり方を変えながら、カスタマイズをなるべく抑えるソリューションを提案してはどうだろう。
クラウド型によくあるコストの落とし穴
「オンプレ型」と「クラウド型(SaaS型)」も重要な軸だね。近年、どの企業もオンプレからクラウドにシフトしている傾向があり、その考え方自体は間違ってないのだけれど、ワークフロー製品に関しては、必ずしもクラウド型を活用することは得策ではない。
というのも、現在クラウドで提供されているワークフロー製品のほとんどは、先に述べた「機能の少ない標準機能型」なので適用業務が限られてしまうんだ。
実はその手軽さにも落とし穴があるので要注意だよ。安さにひかれて導入し、だめなら解約すればいいと思っていたところ、適応する業務によっては全社で運用が始まれば安易にやめられなくなる場合もある。
それに、取引に関するデータは法令で一定期間の保存が義務付けられているから、そのデータがクラウドにしかないとなればそのサービスにロックインされてしまうおそれがある。クラウド型を選ぶときはそんなことも考慮する必要がある。
その意味では「汎用型」と「業務特化型」も重要な軸になるよ。
汎用型は複数の異なるワークフローのために設計された製品、一方の業務特化型は交通費精算や勤怠申請などの特定のワークフローに特化している。
業務特化型はある業務に特化しているから便利で使い勝手のよい製品として目に映るかもしれない。実際、交通費精算や休日出勤などの申請-承認フローなどは簡単に実装できるからね。
ただし、今回のN社様は稟議・決裁業務を電子化して既存のワークフローシステムと統合・刷新したいというご要望だから、業務特化型よりも汎用型をお勧めする方がよさそうだ。
稟議のワークフローを同じシステムに統合できないんだ。業務ごとに異なるシステムを使い分けなくてはならないので、個別の製品のライセンス管理が煩雑になってしまう。
繰り返すが、業務特化型は特定業務、たとえば経費精算のように承認ルートがシンプルであれば導入しやすいし、交通費自動計算のような便利な機能もあり、高い満足度を得られる。しかしそれ以外の業務に適用しようとすると機能が不足するし、承認ルートが複雑になる稟議・決裁のような業務は不得手なことが多いので、複数のワークフローを統合する予定があるのかどうか確認が必要だ。複数の業務特化型のワークフロー製品を導入した場合は管理や運用面でのコストがかかる。
これに対して汎用型は、複数のワークフローを統合したい場合にお薦めできる。ワークフロー製品が乱立することがないので、運用やライセンス管理面で低コスト。特定の業務に特化した機能はないが、多くのワークフローで及第点の使い勝手を期待できる。
「標準機能型-汎用型」でペーパーレスを推進するAgileWorks
やはり「AgileWorks」かな。
多様な申請-承認業務に問題なく適用できるし、長期間にわたってご利用をいただいている多くのお客様からの評価も高い。N社様の規模感にもマッチしていて、稟議まで取り込んでペーパーレスを実現するほか、複雑な組織構造や役職者の権限にも柔軟に対応できる。
NSSOLは導入前コンサルティングの評価も高く、開発元のエイトレッド社から3年連続で「AgileWorks Sales of the year」を受賞しているよ。
そして何よりAgileWorksであれば、既存システムからのデータ移行やさまざまな周辺システムと連携するためのアドオン開発もNSSOLのSIサービスでサポートできるからね。