人材不足により一人作業が常態化する工場対策
異変にいち早く気づき、熱中症などの発症リスク低減を実現したソリューションとは
- 安全見守りくん
背景
近隣工場で熱中症による休業が発生したことをきっかけに、自社工場の安全対策を見直すことにしたF社。対策徹底および発症リスクの低減を図るよう上層部より指示を受けた製造部では、現状把握のため作業内容や環境を確認したところ、さっそく課題が見つかった。
今年の夏は猛暑予想。作業内容や環境を見直して作業員の安全を確保しなければ…
F社の工場では自社従業員のほか、派遣社員、下請け企業の従業員などが働いていましたが、監督者が作業員の健康状態を完全に把握できているとは言えない状況でした。作業開始前には作業員の健康状態を確認して、お互いの健康状態を留意するようにしています。しかし、基本的には主観的な自己申告であり、正確性という点で限界がありました。
製造部のK氏は、こう振り返ります。
「まず、昨今の人材不足により一人作業が常態化していることが課題でした。作業量が多いことや、作業に集中することにより、休止時間や休憩時間をルール通りに確保できていないことがたびたび見受けられていたのです」
人材不足解消のためにも、F社としては新たに作業員の募集をかけて、若手育成に力を入れていきたいところでした。しかし、健康で安全な職場とは言い難い状況であり、なかなか応募者が集まらなかったのです。今後ますます人材不足が進行することも考えられました。
「私たちには作業員の安全を確保する義務があります。万が一、業務中に熱中症にかかってしまうことがあれば、社は安全配慮義務違反が問われ、大きなトラブルにもなりかねません。社会的信用を失ったり、作業がストップして損害が出たりするリスクは絶対に避けなければならず、早急な対策が必要でした」(K氏)
今年の夏は猛暑が予想されていることから、現場における熱中症の発症リスクはかなり高いと考えられます。しかし、K氏ら製造部のメンバーは何から手を付ければよいかわからず、頭を抱えていました。
課題のポイント
- 監督者が作業員の健康状態を完全に把握できているとは言えない状況だった
- 一人作業が常態化し、休止時間や休憩時間を確保できていないことが見受けられた
- 人材不足を解消して若手育成に力を入れたいが、なかなか応募者が集まらなかった