心理的安全性とは? メリットや効果、高めるための心構えを解説

心理的安全性とは? メリットや効果、高めるための心構えを解説

心理的安全性が高い状態とは、組織の誰もが臆せず自分の意見を言うことができ、組織の中において自然体でいられる状態のことです。コミュニケーション活性化やパフォーマンス向上などの効果があるとされていますが、抽象的な概念であり、今ひとつ理解しきれない担当者も少なくないでしょう。心理的安全性の意味や効果、心理的安全性を高めるための心構えや注意点について解説します。



心理的安全性とは

あらためて心理的安全性の意味や定義を確認しましょう。その際、誤解されがちな「優しいだけの組織」との違いも解説します。

心理的安全性の意味や定義

心理的安全性とは、ハーバード大学の組織行動学者エイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念です。同教授によると「対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全であるという、チームメンバーによって共有された考え」と定義されています。これは、チーム内において自らの考えや発言が拒絶されたり、罰を受けたりすることがないという共通認識が得られている状態のことです。

例えば、ごく初歩的な質問や敬遠されるかもしれないアイデア、相手の提案を退けるような発言などについても、臆することなく発信できる状態と考えるといいでしょう。

優しいだけの組織との違いは

さまざまな意見を臆することなく発言できる組織というと、優しい組織を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、優しいだけの組織と心理的安全性の高い組織には、次のような差異があります。

◼️ 優しいだけの組織

居心地が良く、緊張しない。リラックスできる組織

◼️ 心理的安全性の高い組織

自分の意見を言っても大丈夫、という信頼感がある組織。メンバーは仕事に対する意欲があり、厳しいことも言う

優しいだけの組織では居心地の良さは手に入りますが、厳しい意見が出されることがなく、なれ合いに終始してしまうかもしれません。そのため、問題があっても指摘されないまま放置されてしまうリスクがあるのです。

一方で心理的安全性の高い組織は、適度な緊張感のもとで、活発な意見の応酬が行われます。ときには意見の食い違いが生じることもありますが、仕事の質を高めることや効率化、生産性を向上させることなど、前向きな目的が根底にあります。意見が違っても「目指すべきゴールは同じである」との意識があるため、異なる意見を受け入れ合うことが可能です。仕事や組織に対する前向きな姿勢があってこそ、なんでも言い合える体制が適切に機能すると言えます。

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心理的安全性が注目されている背景

「心理的安全性」が注目されるようになったきっかけは、グローバル企業であるGoogleが行った「ProjectAristotle(プロジェクトアリストテレス)」です。このプロジェクトは、「効果的なチームを可能とする条件は何か」を見つけ出すことを目的として行われました。Googleはさまざまなデータを収集・測定しましたが、結果としてチームの効果を高めるのに最も重要なのは、心理的安全性だと公表しました。このプロジェクト結果を受けて、心理的安全性の重要性が広く認知されたのです。

心理的安全性が低くなる原因

次の4つの不安がある組織では、心理的安全性が低くなるとされています。


  1. 無知だと思われる不安
  2. 無能だと思われる不安
  3. 邪魔をしていると思われる不安
  4. ネガティブだと思われる不安

このような不安が生じてしまう原因としては、組織の硬直化が考えられます。具体的には次のような状態を指します。

◼️ 意見を表に出しにくい企業文化

年功序列や厳しい上下関係などがあると、部下や後輩は意見を口に出せない雰囲気となってしまいます。組織に課題があってもそれを指摘することができないため、改善の兆しが見えません。このような組織では、業務の進め方も個別性が高く、助け合いの文化も育まれません。

◼️ コミュニケーション不足

日ごろからあいさつや雑談など、人間関係を円滑にするコミュニケーションが少ないと、組織全体が委縮しがちです。コミュニケーションが少ないことに対して危機意識がなく対策もなされなければ、状況は悪化するばかりでしょう。

◼️ マネジメント体制が構築されていない

適切なマネジメント体制がなく、上司や先輩によるフォローがない状況です。部下がフォローを欲しても、部下側から上司に相談することで環境を改善するのは困難です。単にフォローする体制が整っていないだけの場合もありますが、マネジメント層の働き方に課題があり、上司自身にフォローする余裕がないケースも散見されます。

◼️ 成果第一主義となってしまっている

成果が出ないというだけで評価されない組織では、成績が良い一部の従業員以外は発言権も持てません。こういった組織では上司も成果を上げることに終始してしまい、マネジメントやフォローといった、本来上司が担うべき業務に思い至りません。また、チーム内が全て競争相手となってしまい、成果の奪い合いが生じてしまいます。

◼️ マネジメント能力の不足

上司と部下に認識の共有がないと、それぞれがバラバラに業務を進めてしまいます。スキルに応じた業務の割り振りや進捗管理もなされないため、スキル不足や遅れがあっても上司はそれに気が付きません。そのため、部下はスキル不足や遅れに対して、自分自身で対処しなければならないと思い込んでしまいます。

心理的安全性が低くなる要因や、低い組織のリスクについて詳しくは「心理的安全性が低い企業とは?改善しない場合のリスクを解説」をご覧ください。

心理的安全性が高い職場のメリットと効果

続いて、心理的安全性が高い職場にはどのようなメリットや効果が生じるのか、「組織のメリット」と「個人のメリット」に分けて解説します。

1:パフォーマンスの向上

◼️ 個人のメリット

細かい言い回しや相手の反応に気を回すことがなく発言できるようになります。また、余計なことを気にする必要がなく、仕事に集中できるためパフォーマンスが向上します。安心して仕事ができることで、一人ひとりが自分の良さを発揮しやすくなるでしょう。

◼️ 組織のメリット

組織においては、実績を持つ人やそのプロジェクトに長く関わってきた経験者の発言権が強くなりがちです。

しかし心理的安全性の高い組織では、新人や他部署の従業員なども意見が出せるようになります。

新人ならではの素朴な疑問や、部署の垣根を越えた有意義なアイデアが表に出ることにより、組織全体の活性化や効率化が見込めます。また、部署間の隔たりがなくなることで、本人の能力や適性をより生かせる異動が行え、適材適所が可能となります。

2:コミュニケーションの活性化

◼️ 個人のメリット

従業員間のコミュニケーションが活発になれば、仕事が行き詰まった際に気軽に相談することや、雑談を行うことなどによって気分転換が図れます。また、チーム内での意見交換も自然発生します。意見の応酬が日常的になれば、思わぬアイデアや解決策が出てくる可能性も高まります。また、会話が増えることで相互理解が進み、信頼関係も育まれます。

◼️ 組織のメリット

それまで別個で動いていたプロジェクトや商品が影響し合って相乗効果が生じ、新たな価値が創造できる可能性があります。また、互いに声を掛け合う文化が育まれることで、確認不足によるミスが防止できるほか、日々の業務のなかでの人材育成が可能となります。

3:従業員エンゲージメントの向上

◼️ 個人のメリット

無能だと思われる不安がないため、助けが欲しいときに率直に助けを求めることができます。また、助けを求められた場合に、対応することで互いの信頼関係が強化されます。

◼️ 組織のメリット

従業員と組織間の信頼によって、従業員エンゲージメントが向上します。従業員エンゲージメントとは企業に対しての信頼度、愛着や所属の喜び、貢献感など。相互のつながりを強くすることで、従業員のモチベーションの高まり、働く喜びにつながり、組織におけるメリットにつながります。

エンゲージメントをより高める方法やメリットについては「従業員エンゲージメント向上による効果とは?メリット、取り組み方法を解説」をご覧ください。

4:ナレッジ共有

◼️ 個人のメリット

「もう知っているのではないか」「初歩的なことを伝えるのは余計なお世話では」などの不安感がないので、必要な情報をしっかり伝達でき、ナレッジ共有がかないます。また、初歩的な質問も安心してできるので、失念しがちな基本事項がおろそかになりません。

◼️ 組織のメリット

ナレッジ共有により業務が効率化できるほか、業務の属人化も防止できます。また、基本的ではあるが忘れて

はならない基本事項が浸透し、組織の土台が安定します。

5:ストレスの低減

◼️ 個人のメリット

笑われないか、邪魔でないか……などと不安に思いながら仕事をするのは、精神的な負荷(ストレス)がかかります。ストレスが大きいと仕事への集中力が落ちたり、モチベーションが低下したりする弊害がありますが、ストレスが低減されればそれが解消されます。

◼️ 組織のメリット

ストレスが大きいと体調にも悪影響を与え、それが欠勤につながる恐れがあります。仮にストレスや体調不良を抱えながら出勤しても、個々のパフォーマンスは悪く、組織全体の生産性が落ちてしまうでしょう。心理的安全性の高い組織であれば、そのような事態を防止でき、生産性の維持・向上が見込めます。

6:ミスやクレームに対する対応迅速化

◼️ 個人のメリット

失敗はカバーし合うものとの認識があり、失敗による不当な叱責や嘲笑も恐れる必要がないため、ミスやクレームの報告がすぐに行われます。ミスやクレームも、早い段階ならば対処の負担が小さいでしょう。逆に、報告が遅れるとトラブルが深刻化し、本人が「大きな失敗をしてしまった」という負い目を感じてしまうだけでなく、対処に苦慮した周囲とも軋轢が生じがちです。

◼️ 組織のメリット

業務上のミスも事前に鎮火できれば、ミスやクレームの少ない企業として信頼感を得られます。仮に外部に被害が及んでしまっても、迅速な対応で被害が最小限にとどめることができれば、対処能力がある企業との認識を得られ、組織としての信頼は維持できます。

7:離職率の低下(定着率の向上)

◼️ 個人のメリット

自分の良さを発揮できるため、従業員にやりがいが生じます。また、ストレスが少ない、ミスをしてもフォローし合えるなど、職場環境が良好となるため組織への愛着が強くなるでしょう。離職を考える従業員の割合が減り、長く働いてもらえる可能性が高まります。

◼️ 組織のメリット

定着率が高いと、長期的視野での人材育成策が取れます。また、離職率が高いと新規採用の必要性が高まり、

採用コストが増してしまいますが、定着率が高ければそのようなコストは不要です。

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心理的安全性の高低はどのように判断するか

従業員個人としても組織としても、心理的安全性を高めることで多くのメリットが得られます。しかし心理的安全性の高い・低いはどのように判断するのでしょう。

心理的安全性は抽象的な概念であり、状況を理解するためには何らかの形で可視化する必要があります。「心理的安全性」の提唱者であるエイミー・エドモンドソン教授の「7つの質問」が、心理的安全性の高低を測る代表的な指針です。質問は大きく、心理的安全性が高いことを表す「ポジティブ」と、心理的安全性が低いことをあらわす「ネガティブ」に分けられます。ポジティブ・ネガティブの種類と、質問の意図を簡単に述べていきます。

エドモンドソン教授による、測定のための7つの質問は次のとおりです。


  1. チーム内でミスを起こすと、よく批判をされる
  2. ネガティブな質問。ミスをしたときのチームの反応を確認する問いです。

  3. チームのメンバー内で、課題や困難な問題、ネガティブなことなどについて指摘し合える。
  4. ポジティブな質問。言いにくいことを発言できるチームであるか確認する問いです。

  5. チームのメンバーは、異質な意見を受け入れない、拒絶する傾向がある
  6. ネガティブな質問。個々の考えの違いや個性を受け入れられるチームであるか確認する問いです。

  7. チームに対して、リスクが考えられるアクションを取っても安全である
  8. ポジティブな質問。「相手の意見を否定する」「初歩的な質問をすることで無知だと思われる」などのリスクを取れるチームであるか確認する問いです。

  9. チーム内のメンバーに助けを求めづらい
  10. ネガティブな質問。各メンバーが互いに補い合えるか。また、助けが欲しいときにそれを口に出せるチームであるか確認する問いです。

  11. チーム内に自分を意図的にだましたり、おとしめたりするようなメンバーはいない
  12. ポジティブな質問。協力し、互いに高め合えるチームであるか確認する問いです。

  13. チームで仕事するときには、自分のスキルが発揮できており、持ち味が活かされていると感じる
  14. ポジティブな質問。個々のスキルや持ち味を理解し、それを尊重するチームであるか確認する問いです。


一般的には、アンケート調査によって各問いに対して肯定的かどうかの回答を得て、心理的安全性を測定します。心理的安全性の高いチームであると判断できるのは、次のような特徴のチームです。

■ネガティブな質問である1・3・5に対して「そのとおりである」といった肯定的な回答の割合が低い



■ポジティブな質問である2・4・6・7に対して「そのとおりである」といった肯定的な回答の割合が高い



なお、アンケート以外でも、面談で上記の質問を意識した問いかけをすることで心理的安全性を判断することが可能です。

7つの質問から心理的安全性を測定する具体的方法 は「心理的安全性の測定方法とは?現状を把握し改善につなげるために」をご覧ください。

心理的安全性はどう高めるか

組織の心理的安全性を高めるために部門として目指す姿と、その実現のためにマネジメント層が意識すべき心構えを紹介します。

1:多様性を認め合う

多様性に対しての承認と尊重のある組織を目指します。お互いの意見の違いや個性、今までにない新しいアイデアを認め合います。

マネジメント層は、自分と意見が異なっても否定するのではなく尊重する姿勢で臨まなければなりません。多様性を認めているつもりでも、自分では気が付かない無意識の偏見や思い込みにとらわれていることがあります。常に「公平であるか」「考えに偏りはないか」と自問し、アンコンシャス・バイアス研修やダイバーシティ研修などに参加するようにしましょう。

2:感謝し合う文化をつくる

感謝の気持ちを表に出し合える組織を目指します。それによってコミュニケーションが活性化しますし、互いに助け合う文化がつくれます。

ただし、感謝の言葉を述べたとしても、上から目線から褒めるような言い回しではかえって反感を持たれる懸念があります。また、一見感謝の言葉のようでも、成果だけに着目してしまうと単なる「評価」と捉えられてしまう可能性があります。マネジメント層は行動そのものに対し、労いやうれしさといったポジティブな感情を伝えることを意識するといいでしょう。部下は、自身の行動を積極的に肯定してもらえることでモチベーションの向上も期待できます。

3:発言の機会を設ける

平等な発言機会が設けられた組織を目指します。会議やミーティングにおいて特別な対策をとらないでいると、優秀なメンバーや目立つメンバーばかりが発言するようになります。結果としてそのような意図がなくとも特定のメンバーの意見のみが採用される、という状況になってしまいます。

マネジメント層は、会議やミーティングで発言が特定の人物に偏らないよう気を配ることが求められます。発言のないメンバーに声をかけたり、膠着状態に陥ったときにアイスブレイクを挟んで発言しやすい場の雰囲気をつくったり、あるいは発言しやすくなるよう、「アイデアを紙に書く」「2人一組で話し合う」など会議形式を変更してもいいでしょう。

また、普段から新入社員、パート・アルバイトなど幅広い層の声に向き合う姿勢を持ちます。それによって、雇用形態や勤続年数、ポジションなどにかかわらず、全ての従業員が話しやすい雰囲気をつくることができるでしょう。

4:弱みも認め合える組織となる

必要な場合にすぐにSOSを出せる組織を目指します。メンバーだけでなく、マネジメント層や上司も含めて

SOSが出せることが重要です。SOSをキャッチして助け合うことで、チームワーク強化も図れます。

強いリーダー像にこだわるマネジメント層も多いかもしれません。しかし、メンバーの強みは生かし、弱みはカバーし合える組織となるためには、前提として弱みをさらけ出すことが必要です。また、人には得手不得手があって当然です。不得手(弱み)という個性を認めることで、組織の多様性にもつながるでしょう。

5:ポジティブな姿勢を浸透させる

メンバー全員がポジティブな姿勢を持った組織を目指します。マネジメント層や上司は建設的な評価や声掛けを心がけます。まずはマネジメント層が率先してポジティブな姿勢を心がけることで、最終的に従業員一人ひとりの意識改革を実現させます。

なお、注意やミスの指摘などを行う場合は、建設的な視点で伝えることで、ポジティブ発言となります。例えば、「相手(組織)が成長するために必要だから」と否定的な意見をあえて言うことや、振り返って次に生かすために失敗について論じる、などの視点です。

心理的安全性を高めるための具体的 な取り組みについては「 心理的安全性を高める方法とは?改善への心構えと具体的な取り組みを解説 」を ご覧ください。

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心理的安全性が低くならないための取り組みと注意点

心理的安全性を高めることに目が行きがちですが、低くさせないための取り組みも重要です。また、その際に組織のマネジメント層や人事部門はどのような点に留意すればよいでしょうか。

心理的安全性に関わる兆候に敏感になる

心理的安全性の状態は一定ではありません。ある時点では心理的安全性が高い組織だったとしても、何らかのきっかけで低くなってしまう可能性があります。組織や人事部門は、次に挙げる項目を常に意識し、心理的安全性に関わる兆候を察知することが求められます。


  • 新しい意見が好まれず、現状維持が良しとされる風潮となる
  • 質問に対して意見が出ず、周りをうかがう雰囲気がみられるようになる。ちょっとした雑談がなくなり、従業員同士の人柄が伝わらなくなる
  • 互いに周囲の人に対する興味がない様子が見て取れる
  • 互いに自分の業務に没頭している
  • 確認や連絡不足によるトラブルが発生する
  • ミスやトラブルの報告が遅れる

こうした兆候に留意し、マネジメント層や人事部門で状況を共有しましょう。さらに、従業員満足度調査やエンゲージメントサーベイにおいて、先に挙げた「7つの質問」を取り入れることも有効です。定期的にサーベイを実施し、推移を継続的に把握することで、心理的安全性が低下傾向にある場合に即座に対策をとることが可能となります。

心理的安全性向上を目指す際の注意点

心理的安全性を高めようとする組織では、意見や個性を尊重しようとするあまり、従業員に気を使いすぎてしまう懸念があります。マネジメント層や人事部門は、心理的安全性の高い組織は優しいだけの組織とは違うことを理解し、「言うべきことは言う」気概を持ちましょう。気の使いすぎや考えすぎを避け、全体を俯瞰しながらバランスをとっていきます。

さらなる注意点として、従業員自身が抱える不安の正体が分からないという事態が考えられます。例えば、心理的安全性の向上を目指して1on1ミーティングを実施するような場合においては、不安を解消しようと考えがちです。しかし、相手が自身の状態を把握していない場合は、具体的な解決策を提示する前に、状態把握を助ける対話が求められます。

匿名で相談できる仕組みを検討する

兆候に注意し、バランスの良い取り組みを行ったとしても、「心理的安全性が低くなる原因」で紹介した4つの不安を持つ従業員は、本心を偽って働くと考えられます。そのため、表面的には問題が見えないまま、実質的には心理的安全性が低くなってしまう懸念があります。

そのような場合の対策として、匿名で相談できる仕組みをつくるといった、本心を表出しやすい組織づくりを目指すことをおすすめします。

心理的安全性は組織基盤を左右する

心理的安全性を高めることで、個々の従業員のパフォーマンス向上やコミュニケーション活性化など、多くの効果が見込めます。逆に心理的安全性が低い場合は、組織内の関係性が希薄化し、ミスが誘発されます。また、ミスやクレームが生じたときの対応の遅れ、離職者の増加など、組織の根幹に関わる問題が発生しかねません。経営層や人事部門は心理的安全性の重要性を理解し、高めるための施策を検討する必要があります。

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