日鉄ソリューションズ株式会社

DataRobot x InverSol で実現する多目的最適化の現場適用

タグ コラム

カテゴリ カスタマイズ可能なAIアプリを開発するソリューションDataRobot 業種・業界共通 業務効率化・業務自動化・業務プロセス改善 コスト削減・コスト最適化・経費削減 データドリブン経営 AI・データ利活用 デジタルソリューション&コンサルティング

AI技術の進展により、業務現場におけるデータ活用のニーズは日々高度化しています。弊社では、DataRobotをはじめとするAI関連商材の導入から、業務現場での活用・定着まで一気通貫でサポートできる体制を整えております。予測モデルの構築支援にとどまらず、現場の課題解決に直結するEnd2Endのコンサルティングとソリューション提供を通じて、お客様のDX推進を強力にご支援しています。

今回のコラムではNSSOL独自の最適化用ソリューションであるInverSolについて、開発の背景や概要に触れつつ活用例や新機能について解説していきます。

InverSol開発の背景

近年、AIモデルの業務活用が進む中で、「予測」から一歩進んだ新たなニーズが高まっています。DataRobotを導入したお客様からいただくご要望の中で特に多いのが、“所望のアウトプット(予測値)を実現するために、どのような入力値・条件を設定すれば良いか”という、いわゆる逆問題解析や最適化に関するものです。

例えば、製品設計の場面では「この物性値を達成するために、どのような材料配合が最も適切か?」、マーケティングの現場では「限られたリソースの中で最大の効果を得るには、ターゲットごとの施策配分をどう決めれば良いか?」といった課題に直面します。従来、こうした逆問題解析や多目的最適化は専門的な知見と膨大な試行錯誤を要するため、現場での実践は困難とされてきました。

こうした声を受け、NSSOLでは直感的かつ効率的に逆問題解析・多目的最適化を実現するためのソリューションとして「InverSol」の開発を進めてまいりました。

InverSolの概要

InverSolは、予測モデルと連携し「所望の結果を実現するための最適な入力条件」を自動で探索できる逆問題解析・多目的最適化ソリューションです。ビジネスユーザーでも扱いやすいGUIを備え、以下の手順で最適化を実行できます。

  1. 最適化元データの選択
  2. 最適化対象変数の指定(どの変数を動かすかを選択)
  3. 最適化アルゴリズムの選択
  4. 予測モデル(ターゲット)の選択
  5. 最適化条件の設定(最大化・最小化・制約条件など)
  6. 計算実行・結果評価

これにより、複数目的や複雑な制約条件が絡む現実的な業務課題に対しても、効率的かつ柔軟な最適化が可能となります。DataRobotともシームレスに連携でき、DataRobotで作成・デプロイした複数のモデルと連携した最適化を行うようなユースケースでご利用可能です。

InverSolの活用シーン

製品設計・マテリアルインフォマティクス(MI)領域

製品設計やマテリアルインフォマティクスの現場では、開発する製品の物性・特性を決定するために、予測モデルによるシミュレーションが不可欠です。しかし、望ましい物性値を実現する入力条件を手作業で探索するには膨大な試行錯誤が必要となり、特に複数の特性を同時に考慮した設計や、変数間に複雑な制約条件を課す必要がある場合においては困難を伴います。

InverSolでは、こうした現場のニーズに対し、特徴量の値に基づく線形制約の設定ができるほか、カスタム損失関数の指定など高度な最適化設定も可能です。例えば、「配合組成の合計が100%」「複数の物性値のバランス(背反性能)を考慮しつつ、どちらをどれだけ重視するか」といった要件にも柔軟に対応できます。これにより、設計者は直感的なインターフェースを通じて、短期間かつ高精度で最適条件を導出できるようになりました。

マーケティング最適化

マーケティング領域においては、顧客ごとの施策配分やターゲティングが重要テーマです。例えばヘルスケア分野では、医薬情報担当者(MR)が医師や医療機関を訪問(コール・ディテール)することで製品導入を促しますが、MRの活動リソースには限りがあります。そのため、「全体のコール数が1000回以内」といった制約のもと、「どの医師にどれだけコールすれば採用確率が最大化するか」という最適配分が求められます。

InverSolの列指向最適化機能は、複数行に渡る制約条件にも対応し、例えば「200名の医師に対するコール数合計が1000以下」という制約下で、最大効果が得られる施策配分を自動算出します。これにより、限られたリソースを最適に活用し、ビジネスインパクトを最大化する戦略的な意思決定が可能となります。

新機能:API連携によるインテグレーション強化

InverSolはこれまで、内部APIを用いた最適化機能を提供してきましたが、現場からは「独自のフロントエンドアプリケーションからInverSolを呼び出したい」「既存システムと連携して自動化したい」といったインテグレーション要望も多く寄せられていました。

そこで次期バージョン(v2.0)よりREST API(OpenAPI準拠)の提供を開始します。
これにより、

  • Streamlit/Gradio/Dash等による独自アプリケーションからの最適化呼び出し
  • Jupyter等ノートブック環境での実験的な最適化実行と結果可視化
  • 定期バッチやETLパイプラインへの組み込みによる自動化

など、さまざまな業務フローやシステムとのシームレスな連携が実現可能となります。
本アップデートにより、InverSolの最適化機能を社内外の多様なビジネスプロセスに組み込み、業務自動化やデータ連携による効率化を一層推進できます。

まとめ

NSSOLは、AI関連商材の導入から業務現場への定着・高度活用まで、お客様の課題に寄り添ったEnd2Endの支援を提供しています。InverSolは予測モデルと連携した逆問題解析・多目的最適化ソリューションとして、製品設計・MI・マーケティングなど様々な分野で活用が可能です。アップデートにより提供されるAPI連携機能により、ユーザー独自のフロントエンドやシステムとの連携・自動化が可能となり、現場ニーズに合わせた細やかなカスタマイズを実現できます。

今後もNSSOLは、お客様の現場課題に向き合い、最先端のソリューション開発とオファリング拡充を通じて、ビジネス変革を共に実現してまいります。

藤野 裕典

日鉄ソリューションズ 株式会社

デジタルソリューション&コンサルティング本部

先端技術オファリングセンター

インテリジェントシステム部

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