日鉄ソリューションズ株式会社

人的資本とAIがつくる「組織の未来」~データ活用がもたらす新しい組織マネジメントとは~

次世代AI×組織マネジメントカンファレンス2026 講演詳細レポート

タグ コラム

カテゴリ 人的資本経営・HRテック 業種・業界共通 業務効率化・業務自動化・業務プロセス改善 データドリブン経営 コスト削減・コスト最適化・経費削減 ガバナンス強化・コンプライアンス対応 デジタルソリューション&コンサルティング 人的資本経営・HRテック

2026年3月11日(水)に開催された 日経BP 総合研究所主催のイベント、「次世代AI×組織マネジメントカンファレンス2026―生成AIと組織の協創を支援するピープルアナリティクスの現在―」 にて、日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)は「人的資本経営とAIがつくる組織の未来」をテーマに講演を行いました。本コラムでは、講演内容をもとに、人的資本経営とAI活用が組織にもたらす変革の可能性について、日鉄ソリューションズ株式会社 デジタルソリューション&コンサルティング本部 オファリング&コンサルティングセンター ビジネスイノベーション&コンサルティング部 西川 義信が解説します。

NSSOLソシキノミライとは

NSSOLの「ソシキノミライ」は、社会から求められるこれからの経営の在り方に応え、人々の幸福、企業の成長、地球環境の持続が好循環する未来を実現するための取り組みです。企業を取り巻く環境が大きく変化し、経営課題が複雑化・高度化する中で、組織そのもののあり方を見直す重要性はますます高まっています。
NSSOLは、IT導入にとどまらず、組織の在り方そのものをお客様と共に構想し、実践するパートナーでありたいと考えています。そのために、テクノロジーと人材・組織の知見を掛け合わせ、構想から実装、定着までを一貫して支援しています。

人的資本経営の実践基盤

NSSOLは、人的資本を企業価値の源泉と捉えています。個々の従業員が持つ能力、知識、経験、スキル、特性、健康は、組織の競争力を支える重要な資産です。人材の流動化が進み、成長機会や生きがいを求めて企業外でも活動する人材が増える中、多様な人材を前提とした経営が不可欠になっています。
このような環境では、経験や勘に頼った人材マネジメントだけでは限界があり、人的資本を「見える化」し、計画的に高め、活用していく視点が求められます。

■人的資本経営を実践するための基本プロセス

NSSOLでは、人的資本経営を次のプロセスとして捉えています。

■人材・特性の可視化

  • 知識、スキル、経験、能力、特性などをデータとして把握
  • アセスメントを通じて、生まれ持った特性も含めて可視化

■戦略に基づく計画の策定

  • 経営戦略と連動した人的資本KPIの設計
  • 人材配置・育成・組織設計への反映

■人材開発・組織開発の実行

  • 現場施策として落とし込み
  • 効果を測定しながら改善を回す

特性を明らかにすることで、

•    職務やチームとの適切なマッチング
•    本人による自己理解の促進
•    心身の負担を軽減する行動変容

につなげることができます。

■データに基づく人的資本経営実践基盤

企業価値を高める人的資本経営を実践するうえで、データに基づく評価・分析は不可欠です。NSSOLでは、次のデータを掛け合わせて活用します。


■客観的データ

  • 人事基幹システム
  • 評価・配置・研修履歴

■主観的データ

  • エンゲージメントサーベイ
  • 離職者インタビュー

■財務データ

  • 人件費、生産性などの経営指標

これらを統合することで、

•    人的資本ROIに代表される人的資本指標の算出
•    人事施策の効果モニタリング
•    施策立案と効果検証の改善サイクル

が可能になります。また、人的資本の情報開示をゴールとするのではなく、

•    人材戦略に必要なKPIとして活用
•    指標をもとにステークホルダーと対話

していくことが重要です。

■詳細分析を可能にするBI活用

NSSOLでは、人的資本経営専用のBIツールを活用しています。

■ ISO30414で定義されている69項目を含む約400指標を可視化
■指標を組み合わせた多角的分析が可能

これにより、離職率を全社平均だけで見るのではなく

  • 年齢層
  • 評価
  • 異動履歴
  • キャリア停滞状況

といった属性ごとの詳細分析ができます。たとえば、

  • 離職が多い特定の年齢層
  • 高評価だが長期間異動していない層

などを把握することで、「どの属性に、どの施策を優先すべきか」を具体的に検討できます。人的資本経営実践基盤は、こうした分析と改善を継続的に行うための土台です。

AI技術の進化と人間との補完関係

近年、生成AIやAIエージェントを業務に導入する企業が増えています。NSSOLでは、AIエージェントを以下のように整理しています。

■AI活用の段階整理(サービスデスク業務の例)

■生成AI

  • プロンプトに基づく回答案作成
  • 回答確認・システム登録は人が対応

■ワークフロー型AIエージェント

  • あらかじめ定義したルールに基づいて動作
  • メール返信やシステム登録まで自動化

■自立型AIエージェント

  • 包括的な指示をもとに推論して動作
  • 回答から記録登録までをAI単独で完遂
  • 人は結果確認と評価に注力

■人間とAIの強み・弱み

NSSOLは、人間とAIを競合ではなく補完関係として捉えています。

⤴人間の強み

  • 創造性・独創的な発想
  • 共感力・信頼関係の構築
  • 倫理的判断と責任の引き受け
  • 前例のない状況への柔軟な対応

⤵人間の弱み

  • 疲労によるミス
  • 感情・バイアスによる判断のブレ
  • 稼働時間の制約

⤴AIの強み

  • 大量データの高速処理
  • 24時間365日の稼働
  • 反復作業の高精度実行
  • スケール時のコスト効率

⤵AIの限界

  • 真の創造性を持たない
  • 倫理的判断や法的責任を負えない

■NSSOLが考える最適な役割分担

  • 人間が「何をするべきか」を決める
  • AIが「どのように効率的に実行するか」を担う

この役割分担こそが、人とAIが協働する組織の最適な形です。

AI導入効果の測定と組織マネジメント

AIを組織に定着させ、価値創出につなげるためには、導入そのものではなく導入効果をどう測定し、どう改善につなげるかが重要です。
NSSOLでは、AI導入効果を単なる生産性指標だけで捉えるのではなく、組織マネジメントの視点で多面的に評価します。

■AI導入効果の評価観点

AI導入効果は、次の2つの観点から整理できます。

■定量指標(数値で測定できる効果)

  • 作業時間の短縮
  • 処理件数の増加
  • 削減工数によるコスト削減額
  • ROI(投資対効果)
  • 人の介入なしで完了した業務の割合(無人完結率)

これらの指標により、AI導入が業務効率やコストにどの程度貢献しているかを把握できます。

■定性指標(数値化しにくいが重要な効果)

  • 業務負担が軽減されたと感じているか
  • AIを使うことが日常業務として定着しているか
  • 行動変容(ツール利用頻度・利用の広がり)
  • 顧客満足度や対話ログから読み取れる体験の変化
  • ハルシネーションなど品質・リスクの兆候

特にNSSOLでは、AIとともに働く「従業員体験(EX)」の変化を重要な評価軸としています。

■人的資本経営基盤と組み合わせた評価の重要性

AI導入効果を正確に捉えるためには、人的資本経営の実践基盤との連携が欠かせません。

  • AI利用時間
  • 業務時間・残業時間
  • エンゲージメントサーベイ結果
  • 配置・評価・異動履歴

といったデータを組み合わせることで、

  • AI活用が生産性にどう影響しているか
  • AI導入がエンゲージメント向上につながっているか
  • 特定の属性で効果や負荷が偏っていないか

といった分析が可能になります。

AI導入の効果を「効率化」だけで終わらせず、人とAIの関係性を改善し続けるマネジメントサイクルとして回していくことが重要です。

■NSSOLが考えるAIと組織マネジメントのポイント

NSSOLは、AI活用を成功させるための鍵を次の点に置いています。

  • AI活用の目的を明確にする(なぜ導入するのか)
  • 人間とAIの役割分担を明確にする
  • 定量・定性の両面から効果を評価する
  • 評価結果をもとに改善を継続する

このサイクルを回し続けることで、AIは単なる業務効率化ツールではなく、組織の競争力を高めるパートナーになります。

NSSOLが描く、人とAIの協働による未来

人的資本とAIは、どちらか一方だけでは十分な価値を発揮できません。

  • 人的資本は、組織の価値創出の源泉
  • AIは、その力を拡張し、実行を支える存在

この2つを掛け合わせることで、組織は持続的な競争力を獲得できます。NSSOLは、

  • 人的資本経営の戦略策定
  • データ基盤の構築
  • AI活用の設計・導入
  • 組織変革と定着支援

までを一体で支援します。

人とAIが協働する組織の未来を描き、構想に終わらせることなく、実装と改善まで伴走すること。それがNSSOLの提供価値です。人的資本経営にご関心がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。ソシキノミライを通じて、企業の将来像を実現する取り組みを、私たちとともに次の一歩へと進めていきましょう。

日鉄ソリューションズ株式会社 西川 義信

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