NSSOLがDataRobotで実現するAI Driven Enterpriseへの道
日鉄ソリューションズ株式会社
栁森 和真
DataRobot社主催のオンラインイベント、DataRobot AI Experience Virtual Conference 2021が6月10日に開催されました。
本ブログは、当日に発表された「DataRobotによるAI Driven Enterpriseの実現 ~DataRobotプラチナパートナーとしての貢献~」のコンテンツを一部抜粋し、ビジネスへのAI活用を検討されている皆さまに向けて、NSSOLのDataRobot・AIビジネスの強み・今後の展望をまとめました。ぜひご一読ください。
NSSOLがDataRobotで目指すAI Driven Enterpriseな世界とは?
今やメディアで頻繁に見聞きするようになったビジネスシーンへのAI導入。中には統計・AIの専門家集団を数多く束ねているグローバルIT企業を中心に、経営から現場に至るあらゆるフェーズでデータ・AIに基づいて意思決定する企業(=AI Driven Enterprise)も現れ始めています。
しかし、グローバルIT企業に限らず、AI Driven Enterpriseは国内企業にも出現し始めているのです。これら企業は、以下に示すグローバルIT企業と異なるアプローチでAI Driven Enterpriseへと変化を遂げていることが特徴です。
- 社内の誰もが日常的にAIから課題解決を実現する状態(=AI民主化)を目指している。
- 簡便なAIツールと共に業務知見と共にデータ・予測の意味を理解し判断する「市民データサイエンティスト」人材の拡大・育成に注力している。
これらの特徴は、NSSOLがDataRobot Japanと提供するAIツール「DataRobot」を導入いただいたお客さまで多く見られているのです。本ブログではAI民主化、その先のAI Driven Enterprise実現のために、NSSOLができる支援をご紹介します。
NSSOLはDataRobot Japanと2016年に代理店契約を締結して以来、プラチナパートナーとして110社以上(2021年7月1日現在)のDataRobot導入・活用・業務改善を支援しています。単なるソリューションの導入に留まらず、お客さまと共に「誰もが簡単にAIを活用しビジネス変革を加速する」。いわば「DataRobotによるAI民主化」があちこちの企業で起きている世界を作りたい、そんな思いを抱きながらAIによるビジネス変革・改善の支援をしております。
以降では、これらの経験を踏まえ「AI Driven Enterpriseへの道」に必要なポイントを整理しながら、AI民主化実現のためにNSSOLが支援できることを説明します。まず大前提としてご理解いただきたいのが、AI・機械学習モデルの作成によってビジネス課題が解決できたからといって、即それがAI民主化の実現を意味するわけではない、ということです。
AI民主化を実現するには、AIの内製化とシステム化、人材確保、AI活用によるROI目標を達成させなければなりません。そのポイントを、AI活用で発生する課題面からご説明します。
DataRobot導入110社以上の実績から見えたAI活用の課題とは?
「DataRobotによるAI民主化」を実現するためには、各段階で発生する課題をクリアしていかねばなりません。AI活用フェーズを「立上期」「試行期」「適用期」「展開期」に分けるとすると、各フェーズにおいて共通的に発生しやすい課題があることに気付きます。特に社内のAI推進を活性化するためには、試行期の早い段階で導入効果を実感する「Quick Win」が非常に重要です。
試行期における早期のQuick Winを達成するためには、DataRobot導入後に次々と発生する課題を解決していく必要があります。課題の解決、AI民主化、その先のAI Driven Enterprise実現をNSSOLがどのように支援しているかご紹介します。
DataRobot×SIer・NSSOLだからAI民主化に貢献できること
NSSOLのAI民主化支援の特長は、SI経験に裏打ちされたドメイン知識豊富な人材によるAI活用フェーズごとの支援にあります。フェーズごとの課題に対し、ドメイン知識を生かしながらビジネスとITの両面からお客様を支援することで、お客様は無理なくDataRobotによるAI民主化を実現できます。支援メニューは豊富に用意していますが、ここでは代表例として「AIコンサル」「SI」「製品サポート」をご説明します。
AIコンサル
AIの業務適用を一気通貫で支援するため、テーマ実行・組織・人材育成・システム化の各側面を考慮した「AIサクセスプラン」を作成し、必要に応じたコンサルティングメニューを実行しております。
- テーマ創出と具現化
AI民主化の第一歩となるである最初の成功を達成するには、テーマの創出が重要です。そこで、テーマ創出支援の深化として、業種・業界別に特化したユースケース/コンテンツから業務起点のアイデア着想/発想を得られるような「AIテーマ創出ワークショップ」を実施しております。 - データサイエンティストによるテーマご支援
110社以上の導入実績を元にテーマの選別/具体化/優先順位づけを支援いたします。NSSOLではインダストリー別に専任のデータサイエンティストチームを編成し、過去のナレッジに基づいた支援をしております。
SI ~AIと業務システム間との連携~
単なるAutoMLツールの導入支援に留まらず、SIerの強みでもあるシステム間連携に代表されるソリューション・SIサービスを提供しております。例えば創薬DWHとの連携など、AI Drivenなシステム構築に貢献しております。
製品サポート
DataRobotの安定稼働を支える手厚い製品サポートメニューもご用意しております。専門部隊によるバージョンアップ検証・システムへの業務適用支援、DataRobotに関するお問い合わせなど、Partner of the year製品サポート部門を受賞した実績ある部隊がサポートしております。
DataRobotでQuick WinするためのAdd-on
実は単なるDataRobotを基軸とした支援に留まらず、顧客のニーズに即応した業務特化型のAdd-onをDataRobot社と連携しつつ、独自に開発していることもNSSOLならではのポイントです。代表的なAdd-onとして「機械学習と最適化」「要因分析・効果検証」「業種・業務特化型」がありますが、中でも「機械学習と最適化」に特化したInverSolについてご紹介します。
NSSOL製DataRobot Add-on InverSolで出来ること
通常の機械学習の活用としてDataRobotで機械学習モデルを自動作成すると、予測を実行する際は、説明変数のみ(=正解が未知なデータ)を活用して目的変数(=結果)を予測する「順問題」のアプローチをとります。しかしながら、業務によっては「狙いたい結果を出すための条件の組み合わせを求めたい」というニーズも多くあります。
例えば、製造業の品質・物性最適化(MI)、金融の交渉最適化、マーケティング最適化などがあげられます。これらは「狙いたい目的変数を導くための説明変数の組み合わせを算出する」いわば「逆問題」のアプローチとなり計算に複雑性が増します。
InverSolは、この「逆問題」をDataRobot活用しながら解析するAdd-onです。元々は製造業お客さま向けに物性予測テーマのAdd-onとして提供しておりました。今後、製造業に限らず広くお客さまに機械学習+最適化で更なる価値を提供するサービスとして改良を加える予定です。
最後に
企業ビジネスの意思決定をデータ・AIに基づいて実施する“AI Driven Enterprise”。
①簡便なAIツール(=DataRobot)と共に“市民データサイエンティスト”を社内に育成
②誰もが日常的にAIから課題解決を実現する“AI民主化”を推進
この2ステップでグローバルIT企業に限らずとも“AI Driven Enterprise”へ変化を遂げることができます。
本ブログでは、お客さまが“AI Driven Enterprise”へと変革するために、NSSOLが揃えるDataRobot導入・AI民主化の実現に向けた各種支援サービスをご紹介しました。本ブログの内容が単なるビジネスへのAI活用に留まらず、その先の“AI Driven Enterprise”に向けた新たな第一歩となれば幸いです。