帰属意識を高めると従業員エンゲージメントが高くなる?理由や方法を紹介

帰属意識を高めると従業員エンゲージメントが高くなる?理由や方法を紹介

帰属意識とは、「自分が属している集団への愛着や一体感」のことで、会社と従業員のつながりを示す言葉として使われます。同様の言葉で注目されているのが「従業員エンゲージメント」ですが、従業員エンゲージメントを高めるためには、この帰属意識を高めることも重要だといわれています。テレワーク浸透によってつながりが希薄化するなかで、帰属意識や従業員エンゲージメントに注目する企業が増えています。本稿では特に、帰属意識が必要な理由や高め方などを解説します。

従業員エンゲージメントについて詳しくは「従業員エンゲージメント向上による効果とは?メリット、取り組み方法を解説」をご覧ください。


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帰属意識が従業員エンゲージメント向上に必要な理由

従業員エンゲージメントを向上させるには、帰属意識を高めることがポイントとなります。その理由を解説します。

従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、従業員と会社のつながり、双方の成長に対しての強い結び付きを示す言葉です。従業員と会社とのつながりには、帰属意識や職務満足、定着意思などが含まれています。近年では自律的な転職が当たり前となりましたし、テレワーク導入によってコミュニケーションが希薄化しているという企業も少なくありません。このような背景により、従業員エンゲージメントが企業で注目されています。

帰属意識が高いほど、従業員は組織における問題を自分ごととして捉え、自社をより良くしていこうと主体的に動きます。会社やほかの従業員に対して、興味や愛着を持つことにもつながるでしょう。つまり従業員エンゲージメントを高めたい場合は、帰属意識にも留意することが重要なのです。

帰属意識が高くなることのメリット

従業員の帰属意識が高まると、以下のようなメリットがあります。

■ 主体的に取り組む

従業員が「自社により貢献したい」と思えるようになり、仕事やスキルアップに自発的に取り組むようになります。

■ 役割に固執せず積極的にほかのメンバーを手伝う

自分の役割以外の仕事に対しても気を配り、困っているメンバーをサポートするといったようにしてチームとして成果を上げるために努力します。従業員間でのコミュニケーションが活発になり、組織に活気が生まれるといった利点もあります。

■ パフォーマンスが上がる

従業員の帰属意識が高まると、仕事に対して生き生きと積極的に取り組むようになり、パフォーマンスの向上につながります。

■ 定着率が高まる

従業員の組織や企業への愛着や関心が高まることで、定着率が高まります。

上記のように、帰属意識が高まることでさまざまなメリットが発生します。しかしながら帰属意識は、従業員から企業への一方的な関係です。そこで企業は従業員の思いを受け止め、より成果につながるように従業員が働きやすい職場環境を作っていくことが必要です。従業員への教育支援や福利厚生の提供などを行うことで双方向の関係となり、従業員エンゲージメントが高まっていくでしょう。

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帰属意識が低下する要因

従業員の帰属意識が低下することには、何かしらの要因があります。帰属意識は従業員と企業の関係性となるため、企業側からのアプローチによっては帰属意識を下げる原因となってしまうこともあります。帰属意識が低下する要因として以下のようなことがあります。

■ 企業のビジョンや従業員の役割があいまい

企業のビジョンや事業の方向性があいまいだと従業員は企業に共感しにくく、場合によっては経営方針に違和感を覚えます。さらに、従業員の役割も定まっていないと仕事に対してやりがいや責任感も失っていきます。

■ 労働条件の悪化

意に沿わない成果主義の導入や評価基準の見直しによる納得感の低下、会社都合による労働条件の悪化などにより、帰属意識が低下します。

■ コミュニケーション不足

上司と部下間、組織間でのコミュニケーションが不足すると、自分が属している組織や会社への愛着が持てなくなってしまいます。テレワーク導入による対面でのコミュニケーション不足も要因のひとつです。

■ 会社からの支援や正当な評価がされない

上司のフォローや部署内での助け合いといった支援がない、頑張って成果を出していても会社からや正当な評価がされない、といった状況は帰属意識の低下につながります。

■ 希望する業務ができない

上司に掛け合う場がないことや、掛け合っても意見を聞き入れてもらえないなどの理由で希望する業務ができないと、自分自身の価値を見出せません。また、意見が通らないことによって組織への信頼感も減じてしまうことでしょう。それらは帰属意識の低下につながります。

このようなマイナスの要因が重なると、企業への不信感となり従業員の帰属意識が薄れていきます。従業員の組織や仕事に対する関心が希薄になると、業務に対しても「自分ごと」として捉えられないようになってしまいます。その結果、自分を成長させるための向上心が減り、努力をしなくなり、組織全体への生産性が低下するといったデメリットにもなってしまうのです。注意すべきは、もともと「仕事が好き」という従業員であっても、企業に不信感を抱き始めると仕事に対する意欲が低下してしまうことです。帰属意識が低下した状態が続くと従業員の離職にもつながります。

従業員が離職寸前の状態になってしまった段階で企業が取り組みを始めても、効果はあまり期待できません。では、どのような取り組みをすればよいのでしょうか。次章以降、帰属意識を高めるための方法をご紹介します。なお、帰属意識と従業員エンゲージメントは相互に連動するため、帰属意識を高めることは従業員エンゲージメントを高めることにもつながります。

従業員の帰属意識を高める方法

従業員の帰属意識が低下してしまうと、人間関係の希薄化や生産性の低下、従業員の離職の原因にもなります。知らぬ間に従業員の帰属意識が低下していると、ある日突然退職をしてしまうという事態にもなりかねません。そこで、従業員の帰属意識が低下しないための予防策と帰属意識を高める方法をご紹介します。

帰属意識が低下しないための予防策

従業員の帰属意識が低下しないように、日ごろから企業が取り組むべき予防策をご紹介します。

■ コミュニケーションの活性化

テレワークの浸透で、従業員同士のコミュニケーションが希薄になっているといわれています。そこで、従業員同士の円滑なコミュニケーションが行われるように、ランチ会やミーティングの場を提供し、接点を増やすことが大事です。また、マネジメント層や上司は従業員が孤独を感じないようにケアする必要があります。

■ 従業員のフォロー

従業員が働きやすい環境づくりが必要です。日ごろから、企業は従業員の意見に耳を傾ける姿勢が大切です。柔軟な働き方を実現するための制度構築や、福利厚生の見直しが効果的と言えるでしょう。

■ 企業のビジョンや方向性を発信し続ける

企業が掲げるビジョンや方向性がはっきりしないと、なんのために・どこに向かって働いているのかが分かりにくいです。根気よく従業員の目標や働く意味を共有し、双方向の関係づくりに努めることが必要です。

帰属意識を高める対策例

従業員の帰属意識を高めるための対策をご紹介します。

■ 自社の帰属意識について現状を把握する

従業員への面談やアンケート、測定ツールを使って帰属意識の現状を把握することが重要です。どこに帰属意識を低くしている問題があるかを探ります。

■ どこから対策するか優先順位を決める

自社の課題と原因を特定したら、重要度を加味して対策の優先順位を決めていきます。

■ 課題に合わせた施策を実行する

自社の課題に合った施策を検討し、実行します。施策例は次のとおりです。

  • ワークショップ等を活用し企業理念を浸透させる

    企業理念やゴールを従業員に共有させることで、帰属意識を高めることができます。ワークショップを活用したり、「企業理念・ミッション」を明示したカードを配ったりすることで、より浸透しやすくなるでしょう。

  • 定期的なミーティングで目標設定やフィードバックを行う

    定期的なミーティングや、目標に対して適切なフィードバックを行うことで、従業員は自らの成長を実感できるようになります。さらに、従業員が企業側から期待されていると感じることで帰属意識が高まります。

  • 組織内のコミュニケーションを活発化させる仕組み作り

    組織内におけるコミュニケーションが活発化すると組織の結束が高まり、帰属意識が高まります。ゴールの共有もできるため、同じ方法に向かって団結することで成果にもつながります。

  • 従業員のワークライフバランスを整える

    フレックスタイム制度、テレワーク制度などを導入することで、従業員が仕事と私生活のバランスを取りやすくなります。ワークライフバランスが整うと、帰属意識が高まります。

  • 学びの場を提供する

    従業員が自社について「自ら成長できる場所」だと実感することで、帰属意識が高まります。ワークショップや社内外の研修など、学びの場を充実させるといいでしょう。

■ 帰属意識が高まっているか効果測定を行う

従業員への面談やアンケート、測定ツールを使って、帰属意識が高まっているかどうかの効果測定を行います。企業側が従業員の意見に耳を傾ける姿勢が伝わります。また、従業員の意見が反映されれば、従業員と企業の間での信頼関係の強化にもつながります。


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帰属意識を高めると従業員エンゲージメントも高まる

企業の従業員に対するあり方や取り組みが、従業員の帰属意識を大きく左右します。そのため、従業員と企業間での双方向の強い結び付きがあるほど、従業員の帰属意識は高まり、さらに従業員エンゲージメントも高まっていきます。企業は、従業員エンゲージメントだけに目を向けるのではなく、従業員の帰属意識の高め方も意識する必要があります。

「なやさぽ」は従業員の抱えている悩みを解決し、従業員エンゲージメントの向上につなげるツールです。従業員の抱える悩みを発見し、適切なアドバイスを行うことで、従業員の帰属意識や従業員エンゲージメント向上にもつながっていくでしょう。

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